日本学術振興会
21世紀COEプログラム


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(文部科学省)


東京外国語大学
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史資料収集−研究担当班


活動報告

2005年度以降 (2004年までの活動報告はこちら)

1. 海外事業 (史資料収集保存・共有事業)
 (1) バングラデシュの解放戦争研究センター「オーラルヒストリー・プロジェクト」への事業協力の成果として、同センター刊行のオーラルアーカイヴ事業報告書が第11巻まで到着している。
 (2) インドネシアのハサヌディン大学との協力事業 (日本占領下の南スラウェシュに関するインタビュー記録のデジタル化) も順調に進展している。デジタル化したマカッサル公文書館のオーラル資料 (2004度分) については、6月25日開催の第12回定例研究会において、前川佳遠里氏(国文学研究資料館)に資料の概要およびそれを用いた場合の研究上の可能性と問題点について指摘していただいた (ジャーナル第6号の活動報告を参照) 。60本テープ98本分をデジタル化したCDとこれをトランスクライブしたもの4冊及びこれを収めたCDも到着している。
 ○ 2005年8月29日〜30日にはマカッサルにおいて、インタビュー調査とオーラル・ヒストリーに関するワークショップが開催され、活発な議論が交わされた。参加者は大学の研究者、公文書館職員だけでなく、中学・高等学校の歴史の教師も参加した(写真参照)。
 ○ 2005年9月から2006年1月まで、南スラウェシの未調査地域でのインタビュー調査も実施された(新たにインタビューした60分テープ86本分をデジタル化CD7枚と調査書も到着)。

2. 研究会活動

第11回定例研究会 2005年5月31日 海外事情研究所
小林 多寿子 (日本女子大学 教授)
「ライフストーリー・アーカイヴとしての<ふだん記>運動- 書く実践と書く共同体の生成 -」

第12回定例研究会 2005年6月25日 海外事情研究所
テーマ インドネシア日本軍政期研究とオーラル資料
(1) Frank Dhont (Yale University)
Benefits and Dangers of Oral sources: Makasar archives (TUFS) and Romusha interviews (Yale)
(2) 前川 佳遠理 (国文学研究資料館)
「記録と歴史叙述:インドネシア兵補をめぐるオーラル・ヒストリーとマカッサル・インタビュー」

第13回定例研究会 2005年11月15日 海外事情研究所
八木 良広 (慶応義塾大学大学院)
「現在を生きる原爆被害者-被爆体験を語るという実践を手がかりに-」

第14回定例研究会 2006年2月14日 428コース演習室
西倉 実季 (お茶の水女子大学大学院)
「「クレイム申し立て」としてのインタビュー -顔にあざのある女性の「問題経験」-」

3. 2005年度の調査活動の概要

(1) 今井昭夫
 出張先: ベトナム ハノイ国立大学・社会学研究所ほか
 期間: 2005年9月6日〜9月20日
 内容: ベトナムにおける「戦争の記憶」の研究のため、退役軍人会関係者や歴史教育者などへの聞き取り調査を行なった。

(2) 河路由佳
 出張先:
  1)タイ チュラロンコン大学ほか
  2) 台湾 国家档案管理局・国史館・中央研究院近代史研究所
 期間:
  1)2005年10月2日〜10月6日
  2)2005年12月19日〜12月22日
 内容:
  1)1942年度・1943年度来日の第1回・第2回タイ国招致学生に関する調査。当事者への聞き取り調査を行なった。
  2)関係機関担当者へのオーラル資料の収集体制とその公開状況について聞き取りを行なった。また刊行されている口述資料シリーズの調査・収集にあたった。

(3) 石井溥
 出張先: ネパール トリブヴァン大学ほか
 期間: 2005年11月12〜11月19日
 内容: カトマンズ盆地において、チベット交易に従事したことのあるネワール(元)商人、及び現在貿易活動を行なっている会社の従業員でチベット交易を体験した人々等を訪問し、聞き取り調査を行なった。

(4) 倉石一郎
 出張先: アメリカ合衆国 カリフォルニア大学バークレイ校ほか
 期間: 2005年11月18日〜11月22日
 内容: 「コリアン・ディアスポラに関する国際会議」に出席し、在日朝鮮人の「帰国」に関する映像表象について発表した。

(5) 野本京子
 出張先: 台湾 国家档案管理局・国史館・中央研究院近代史研究所
 期間: 2005年12月19日〜12月22日
 内容: 関係機関担当者へのオーラル資料の収集体制とその公開状況について聞き取りを行なった。また刊行されている口述資料シリーズの調査・収集にあたった。

(6) サキャ・プルナ・ラタナ
 出張先: ネパール
 期間: 2005年8月10日〜9月11日
 内容: 1950年代前後のチベット・ネパール・インド貿易に関わった元商人への聞き取り調査、およびチベット仏教芸術家とネパール人仏師への聞き取り調査を行なった。

(7) 張延紅 (本学大学院博士後期課程)
 出張先: 中国・吉林省延吉市 延辺大学図書館ほか
 期間: 2005年9月15日〜9月29日
 内容: 朝鮮族女性へのインタビューを通じて、中国少数民族の女性たちの教育現状・教育環境等の調査を行なった。

(8) 謝佳玲 (本学大学院博士後期課程)
 出張先: 台湾 国家档案管理局・国史館・中央研究院近代史研究所ほか
 期間: 2005年12月16日〜12月22日
 内容: 関係機関担当者へのオーラル資料の収集体制とその公開状況についての聞き取り調査、及びその事前打ち合わせ等の準備を行なった。また中央図書館などにおいて研究テーマの資料調査を行なった。

(9) 溝端るみ子 (本学大学院博士前期課程)
 出張先: ベトナム 国家人文社会科学センター東北アジア研究所ほか
 期間: 2005年12月21日〜12月30日
 内容: ハノイ市などの都市における集合住宅居住者の住民組織や生活意識等に関する聞き取り調査を行なった。