本学学生が参画したタイ語録音図書プロジェクトがタイの放送局で放映
2022.04.25
本学学生(タイ語専攻日本人学生11名、タイ人大学院生1名)が参画した「タイ語録音図書プロジェクト」が、2022年4月9日(土)、タイの公共放送「Thai PBSニュース」で取り上げられました。
2020年度にタイ語専攻学生がオンライン交流授業で、タイの目の不自由な作家の方へ日本文化の紹介を行いましたが、その交流が継続し、今回のタイ語録音図書プロジェクトへとつながりました。
ニュース映像は、YouTube動画でも配信されています。 【ニュース映像の要約(ページ内リンク)】
https://www.youtube.com/watch?v=V2coIj_4SwY
録音図書とは、視覚に障害のある人たちが、耳で聴いて読書できるように活字の本を朗読し、その音声を収録したものです。タイ国では「Thailand Association of the Blind(タイ盲人協会)」が管轄する「The National Library for the Blind and Print Disabled(国立盲人?活字障害者図書館)」が、数多くの録音図書を所蔵しており、タイ国全土の視覚障害者向け図書館への貸し出し、もしくはオンラインでの公開を行っています。
このプロジェクトは、本学の授業科目「タイ語 作文4」(担当講師:スニサー?ウィッタヤーパンヤーノン特任教授)のアクティブラーニングの一環として、タイ商工会議所大学(University of the Thai Chamber of Commerce、以下UTCC) School of Communication Arts(コミュニケーション学部)の授業科目「Story Telling」との合同授業として企画されたものです。
今回、学生たちが録音した図書は、スニサー特任教授がタイ語で出版した『m??? y?ipùn mumkla?p h?y rák kwa?a d??m(邦訳仮題:逆の見方で日本をみればもっと好きになる)』でした。タイ語で書かれた日本紹介の図書を録音するというこのプロジェクトは、文化協力事業として評価され、独立行政法人国際交流基金(The Japan Foundation)のバンコク?オフィスから支援を受け、実現しました。
2021年度の本学とUTCCの第1回の合同オンライン授業の中で、本プロジェクトの概要?目的、および制作方法や注意点に関する説明が行われた後、朗読の練習を行いました。授業後、本学の学生とUTCCの学生がペアとなって、オンラインツールを活用し、一緒に練習を行い、録音したものを両校の担当講師3名(本学:スニサー特任教授、UTCC:オラドン先生、アネーシャー先生)と目の不自由なタイ人4名で確認を行い、第2回目の授業でフィードバックを実施しました。その後、再び本学の学生とUTCC学生のペアがオンラインツールを使って各自で録音作業を実施し、各ペアの録音データを集めて、録音図書が編集されました。この録音図書はThailand Association of the Blindへ寄贈されました。
参考:2020年度のタイの目の不自由な作家の方とのオンライン交流授業に関して
https://www.tufs.ac.jp/NEWS/trend/210120_1.html
<ニュース映像の要約>
ナレーション「今日はタイと日本の大学生が、共同で制作した録音図書プロジェクトについてお伝えします。The Japan Foundation(国際交流基金)の資金協力により、東京外国語大学の学生とタイ商工会議所大学の学生が共同で作業を行いました。これはタイ全国の目の見えない人たちのための図書館への支援プロジェクトです。」
学生の朗読「(この本を読むと)タイ人の生活と異なる日本人の考え方や生活を学ぶことができます。少しずつではあっても、日本のことを知り、理解していくと、さらに日本が好きになります。」
ナレーション「授業中には、目の見えない方たちも参加し、意見を述べています。」
目の不自由な方「私は目が見えませんが、学生の皆さんが一生懸命に読んでくれたと感じます。皆さんが読んでくれたすべての内容を聞けて、視野を広めることができ、日本の文化を学ぶことができました。目で本を読めませんが、皆さんが制作してくれた録音図書のおかげで読むことができました。」
ナレーション「学生たちは、アルバイトや勉強で忙しくても、お互いに助け合って、締め切りに間に合うよう頑張りました。」
タイの学生「とても楽しかったですし、新しい友人とも出会うことが出来て良かったです。」
日本の学生「タイ語を3~4年しか勉強していない私にとっては、正確に読むのは、難しかったです。一方でこの活動はとてもおもしろい活動でした。録音図書のことを知ることができて、とても良い経験となりました。」
録音図書館スタッフ「黙読では1日で読み終わるものも、録音図書の作成には1~2週間かかってしまいます。ただ、録音図書は、多くの目の見えない方たちに聞かれ続けています。10年前に制作したものが今も聞かれているのです。」