留学生招致の取り組み

アフリカから留学生を呼ぼう!


東京外国語大学 現代アフリカ地域研究センターが掲げている目標と、アフリカから留学生を呼ぶためのセンターの活動をご紹介します。

目標と活動
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当センターの目標は、研究と教育を通じて、アフリカと日本の相互理解を深めることです。相互理解のためにアフリカの学生との交流は欠かせませんが、アフリカからの留学生はまだ少なく、日本の留学生全体の1%程度に過ぎません。特に学部生の受け入れが少なく、日本語習得が進まない一つの原因になっています。東京外国語大学は学部、修士、博士の各レベルでアフリカ人留学生の受入れを進めています。学部レベルのアフリカ専攻を持つ日本で唯一の大学であるため、交換留学を通じたアフリカからの学部学生受け入れに努めてきました。

留学生招致になぜサポートが必要なのか
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日本で学びたいと考えるアフリカの若者はたくさんいますが、実際に日本で学ぶ機会を得る留学生の数はわずかです。このギャップの最大要因は、経済的な理由です。留学のためには航空運賃や滞在費が必要ですが、奨学金に頼らずそれを準備できる家庭は、アフリカにはほとんどありません。アフリカの大学と日本の大学との間に学生交流協定が結ばれ、交換留学ができる仕組みが整えられても、資金的なサポートがなければ、利用できるのは日本人学生だけになってしまいます。

経済的サポートの仕組み
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交流協定を結ぶアフリカ諸国の大学の学生に東京外国語大学で学んでもらうため、私たちは次のようなサポートの仕組みを構築してきました。

1.現代アフリカ教育研究支援基金
2.クラウドファンディング
3.日本企業からのご寄付とご支援
4.日本学生支援機構(JASSO)海外留学支援制度(協定受入)奨学金
5.世界展開力強化事業

1.【現代アフリカ教育研究支援基金】

アフリカからの留学生招致に充てる基金で、個人や企業からのご寄付を常時受け付けています。東京外国語大学特定基金の一つです。研究と教育を通じて、アフリカと日本の相互理解を深めるという当センターの目的達成のために設立されました。

2.【クラウドファンディング】

期間限定で行うご寄付のお願いです。これまで、ルワンダ?プロテスタント大学(PUR) の学生を招致するため、2018年と2020年に実施しました。PURはアフリカ各国出身の学生を数多く受け入れ、国籍を問わず成績優秀者を本学に派遣します。これまでにPURから、ルワンダ、ウガンダ、コンゴ民主共和国、ブルンジ、カメルーン、南スーダンの学生を受け入れました。
2024年度中に、新たにクラウドファンディングの実施を予定しています。

3.【企業からのご支援】

アフリカからの留学生招致のために、日本企業からご支援をいただいています。2018年以来、トヨタガーナ社から、ガーナ大学学生2名分の航空券を毎年いただいています。また、矢崎総業から200万円のご寄付をいただきました(2018年)。

4.【JASSO奨学金】

留学生の日本での生活費(8万円/月)をサポートするため、日本学生支援機構(JASSO)の海外留学支援制度(協定受入)奨学金を獲得してきました。

5.【大学の世界展開力強化事業(アフリカ)】

2020年度に文部科学省の支援による「世界展開力強化事業~アフリカ諸国との大学間交流形成支援~」が採択され、アフリカ人学生向け渡航費?滞在費が補助されるようになったことで、留学生受け入れが大きく進展しました。本事業は2024年度に終了します。

成果
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2018年以前、アフリカからの本学への交換留学生はゼロでしたが、上記の取り組みによって、本学で学ぶアフリカ人留学生は目に見えて増加しました。招致した交換留学生のなかには、一旦帰国したのち、国費留学生として本学の大学院に入学した若者も複数います。交換留学は主に学部3~4年生を対象とし、滞在期間は4ヶ月~10ヶ月程度ですが、若いうちに日本を知り、日本で友人を得て交流を広げる重要な機会になっています。
アフリカからの招致実績
留学生からの留学報告