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「チェーザレ?パヴェーゼとアメリカ文学」 小久保 真理江
"Cesare Pavese e la letteratura americana" KOKUBO Marie
和文要旨
今回の発表では、チェーザレ?パヴェーゼの『故郷(Paesi tuoi)』とジェームス?ケインの『郵便配達夫はいつも二度ベルを鳴らす(The Postman Always Rings Twice)』を比較し、パヴェーゼの作品におけるアメリカ文学の影響について話した。日本における外国文学の影響についての話なども交えつつ、パヴェーゼの翻訳活動の重要性を説明し、比較文学的な視点から『故郷』という作品を分析した。
20世紀前半を生きたイタリアの詩人?作家チェーザレ?パヴェーゼは、アメリカ文学の紹介者としてもその名を知られる。まだアメリカ文学が広くは知られていなかった1930年代からパヴェーゼは様々なアメリカ文学作品を翻訳?批評した。パヴェーゼの翻訳?批評活動と創作活動には密接なつながりがあり、パヴェーゼ自身の小説にもアメリカ文学の影響が見られる。
パヴェーゼ自身が後に述べているように、『故郷』という作品はケインの『郵便配達夫はいつも二度ベルを鳴らす』に影響を受けて書かれており、両作品の間には多くの類似点が見られる。今回の発表では、パヴェーゼのアメリカ文学への関心の複雑なありようを明らかにするため、類似点だけでなく相違点にも注目しながら両作品を比較した。それぞれの作品の語り手が会話や出来事、思考をどのような言語で語っているか具体的に例を挙げながら比較した上で、パヴェーゼのアメリカ文学観やイタリアにおけるアメリカ文学受容の特殊性を指摘した。
詳しくはイタリア語本文(PDF)をご覧ください。
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