2012年4月 月次レポート(洪性旭 イギリス)
ITP-AA派遣 月次報告書(2012年4月)
報告者:博士後期課程 洪性旭(Sungwook HONG)
派遣先:SOAS University of London(英国?ロンドン)
研究テーマ:アジアにおける社会的企業の持続可能性に関する諸問題
3月27日にロンドンに到着、民宿に約2週間泊まりながら宿探しを行った。不動産事情は良好な方であるが、住居基準を違反している物件が多く、予想以上に時間を要した。
4月は、住居の安定を図るとともに、SOAS及びLSE(ロンドン政経大学)の図書館アクセスを取得、本研究に参考となる文献と論文の収集に専念することにした。併行して、3月30日には、SOAS側の受け入れ教員となるDepartment of Economicsの宮村敏先生と面談し、研究に関する助言ならびに、SOASにおいて本研究の近接領域であるCSR(Corporate Social Responsibility)に関する研究を行っているStephanie Blankenburg教授の書籍や論文を紹介していただいた。受け入れ先であるJapan and Korea DepartmentのAndrew Gerstle教授は4月中はロンドンを離れていたため、5月の上旬に面談を行う予定である。
博士研究は、「社会的企業(social enterprise/social business)」と呼ばれる諸組織に焦点を当てている。組織論の観点から、従来の営利企業とは異なる組織構造を持ているという前提の下、組織の持続性に関していかなる特徴が見られるかを考察することに研究目標を置いている。対象地域はアジアに絞っており、最終的には韓国と日本に特化する予定である。宮村先生との面談では、地域研究を有意味なものにするためには、ディシプリンをよりしっかりしたものとする必要があるという助言をいただいた。よって、本研究に直接関係するアジアの社会的企業や経済事情に関する文献サーベイのみならず、組織論ならびに経済学の専門書籍をも併行して熟読することに重点を置いた。なお、SOASに加えLSEのアクセスをも取得したことにより、両大学から社会的企業や組織論にかかわる学位論文を収集することができた。
今後、文献サーベイと通読を継続していき、面談で紹介された上記の研究者にも接触し、文献及び調査活動に関してさらなる助言をいただく予定である。