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2012年7月 月次レポート(洪性旭 イギリス)

ITP-AA派遣 月次報告書(2012年7月)

報告者:博士後期課程 洪性旭(Sungwook HONG)
派遣先:SOAS University of London(英国?ロンドン)
研究テーマ:アジアにおける社会的企業の持続可能性に関する諸問題

 ロンドン滞在も最後の月に入った。日本への出発はオリンピック開幕2日前の7月25日であり、空港までの交通事情が心配になったが、幸い大きな混雑無しに出国することができた。7月には、引き続き文献収集と社会的企業関連カンファレンスへの訪問を行った。
 7月14日には、CIC Associationが毎年主催している「Social Firms UK Conference 2012(http://cicassoc.ning.com/events/event/show?id=2691611%3AEvent%3A39603&xg_source=msg_invite_event)」に参加することができた。CIC Associationは、イギリスにおいて社会的企業(Social Enterprise)の一種とされるCommunity Interest Companyに関する情報を発信する団体である。Social Firmとは、労働統合社会的企業とも言われるカテゴリーで、社会的企業のうち、特に障がい者や元囚人など、労働市場から疎外されている階層を雇用することを主な目的とする企業を指す。韓国において法制化されている「社会的企業」の場合も、活動内容に関わらず一定以上の割合の脆弱階層を雇用することが義務付けられているため、韓国を対象地域にする本研究においても参考する部分が多かった。
 カンファレンスでは、同時進行されるワークショップのうち一つを選択、参加することができる。本研究者は、研究テーマとの類似性から、社会的企業の成功要因及び社会へのインパクト(貢献度)の測定方法に関するワークショップに参加した。比較的少ない6事例を対象に質的研究方法が採られており、社会的企業の経営に影響する周辺環境の分析が主になされていた。イギリスにおいて地域ベースで疎外された階層に雇用を提供するSocial Firmに関しては、韓国の社会的企業とも共通するものとして、補助金などの金銭的支援よりも事業性そのものの不足が強調された。特に、市場に関する情報が存在するも、起業の際に関連情報を得られるようなシステムが無いことが指摘された。
 なお、同ワークショップを担当者で、Middlesex Universityの研究者であるAlessio D'Angelo氏と交流することができた。氏は、同大学を含む複数の大学からなるパートナシップ研究機関であるTSRC(Third Sector Research Centre, http://www.tsrc.ac.uk/Home/tabid/515/Default.aspx)の下で研究しており、社会的企業及びサード?セクターに関するワーキング?ペーパーや研究資料へのアクセスを提供してもらうことになった。
 同カンファレンスには、CIC RegulatorのSara Burgessも登録していた。実際には彼女の同僚であるNeil Butler氏が参加しており、彼を通してオフィスに連絡を図ったが、多忙のため直接会うことはできなかった。ただし、CIC Regulator Officeへのメール連絡や質疑は可能になり、現在も連絡を取っている。
 

Hong7-1.jpg 帰国前には、宮村先生から紹介していただいたStephanie Blankenburg先生への連絡を図り、氏の研究分野である企業ガバナンスやCSRに関するリーディング?リストや参考文献などの問い合わせを行っている。

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