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2012年10月 月次レポート(丹羽裕美 韓国)

月次レポート 10月

東京外国語大学 博士前期課程 
言語文化専攻 丹羽裕美
派遣先:韓国外国語大学校大学院

 留学生活最後となる10月も引き続き、金在旭教授の大学院の授業を聴講させていただくことができた。また10/27には、東京外国語大学で私の担任である南潤珍先生がソウル大学での国際学会で発表され私も参加させていただいた。
 学会は韓国語文法の授業でいかにコーパスや様々な媒体を活用するかという事を中心にしたものであった。特に南潤珍先生の「日本語母語話者の韓国語の文法学習とコーパスの活用」では日本語と韓国語の対応関係が1対1にならず学習する上で困難な事項を取り上げられ、形態対応の情報だけでなく文構造や語用論的な対応関係までの情報が学習者にとって必要な事項になることを具体的に示された。それは私自身が韓国語を学習するうえでも頭を悩ませている問題でもあり、また今後の韓国語教育を考える上でも重要なものであると聞き入ってしまった。また英語圏、中国語圏、インドでの教育現場からの意見も興味深かった。
 韓国外国語大学校では金在旭教授の授業で知り合った大学院生から貴重な情報を得ることができ、今回の留学の目的でもあった「現地での韓国語教育を知る」ことが思わぬところから発展することができたので簡単に報告したい。
 韓国でも、在韓外国人児童や韓国語は母語であるが両親の一方が外国人という外国につながる子どもたちのための多文化教育が、社会的な問題の一つとしてあげられている。その多文化教育のなかで韓国語教育プログラムというものがある。このプラグラムはLGという韓国の財閥が資金を提供し韓国外国語大学校が開発した韓国語教育のプログラムである。学生と教師が1対1で行い顔を見て授業ができるシステムを開発した。因みに無料でこの教育をうけることができるという。教師は韓国外国語大学校韓国語教育学科の大学院生が教育を受けたのち行っている。
 今回、その教育にかかわっている大学院生らの協力を得て直接、多文化教育を行っている様子を実際に見たり教材やカリキュラムを知る機会を得ることができたが、この方法を非母語話者の韓国語教育に応用活用できる部分がありそうだと大変貴重な体験をすることが出来た点は韓国外国語大学校韓国語教育学科の大学院生らに感謝するばかりだ。
 このように私にとって初めての留学生活は良き友人、師、現地の人々の温かい情をうけ有意義に過ごすことが出来た。そしてこのような機会を与えてくださったITPに改めて感謝したい。

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