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2011年1月 月次レポート(石田聖子 イタリア)

月次レポート
                          (2011年1月、博士後期課程 石田聖子)(派遣先:ボローニャ大学 [イタリア])

  ボローニャでは今年も賑やかに新年の到来が祝われた。花火やスパークリングワインをお供にしての陽気な年越しはイタリアでは珍しくないものの、ボローニャの年越しといえば、町の中心に位置するマッジョーレ広場にしつらえられるVecchioneと呼ばれる古い年を象徴する人形へと点火する行事が恒例だという。昨年はそれを知らずに見逃してしまったため、今年こそはと派遣者も新年を迎えるにあたりマッジョーレ広場へと赴いた。人形の姿は毎年変わるというが、今年のVecchioneは王冠を載せたカエルをかたどったものであった。経済危機を象徴するのだという。人形とはいえ、高さ12メートルという立派な像である。事実、年越しの瞬間に火を放たれたそれが空を真っ赤に染めるほどに大きな炎を上げて燃え上がる様子は圧巻であった。
  今月は、先月開始したアキッレ?カンパニーレの著作、及び、批評記事の精読作業を引き続き行いながら、具体的な論理構成を練った後、月後半には、論文執筆を開始した。パラッツェスキとカンパニーレとは並列的に名指されることが少ないことから、まずは、そのふたりを結びつ