2012年9月 月次レポート(杉山香織 フランス)
活動報告書 9月
杉山香織
今月から、ITP-EUROPAよりフランスのボルドー第三大学へ派遣されることになりました。日本出国は「海外派遣報告会」が終了した2日後の9月12日でした。なお同報告会では、このプログラムを終えられた方々による発表を聞き、刺激を受けました。昨年度より同大学で博士課程を始めていたため、一時帰国後の再出発という形でありましたが、家族や友人に囲まれる生活を約1ヶ月日本で過ごした後での再出発はやはり少し心細く感じると同時に、新しく迎えるボルドーでの1年への期待感も入り交じったような、そんな気持ちでフランスに到着いたしました。
フランスに到着して何よりも驚いたことは、日本との気温差です。ボルドーはそれでもフランス内では温暖な気候ですが、すでに秋が到来しておりました。
さて、ボルドー第三大学はフランスのどの大学よりも新学期が始まるのが早く、到着後1週間も空かずに新学期が始まりました。本大学の博士課程の学生は特に義務として受けなくてはいけない授業はありませんが、毎日所属している研究室に来て、他の2人の博士課程の学生と一緒に論文を進めています。自宅で研究もできますが、他の学生達が集中して論文を書いている姿はとても刺激になり、より集中できます。
「海外派遣報告会」でも言及いたしましたが、共同学位を目的に昨年渡仏したものの、ボルドー第三大学のシステムの関係で2つの博士論文を仕上げることになりました。そこで、指導教員と相談し、東京外国語大学の博士論文から進めることになりました。なお、東京外国語大学の博士論文では、「日本人フランス語学習者の話し言葉における語彙の記述」について、そして、ボルドー第三大学では「フランス人日本語学習者の話し言葉における語彙の記述」について扱います。2つの研究によって両言語を言語習得の観点から双方向で分析することが可能となります。また、先行研究も重なるところが多いため、論文執筆言語が異なるもののある程度同時に博士論文を進めていくことができます。
昨年度から本格的に博士論文に取りかかり、9月でほぼ先行研究のパートが完成しました。また、分析部分に関しても一時帰国中に指導教員である川口裕司先生より有意義なご指導が頂けたため、夏以前に比べてかなり明確な枠組みとなりました。また、さらに分析を進めるため、データ整理なども行いました 。
この1年の目標である、東京外国語大学の博士論文提出と、ボルドー第三大学の博士論文提出に向けたデータ収集および先行研究終了を目指して、これから日々研究を進めてまいります。