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2012年2月 月次レポート(小久保真理江 イタリア)

ITP 報告書 2月

小久保真理江

 今月はヨーロッパに寒波が到来し、ボローニャでも氷点下の気温と大雪が続きました。雪の影響で図書館が特別休館になる日もあり、自宅で執筆作業を行う時間が増えましたが、家の暖房設備が問題なく機能していたため、普段通り研究に集中することができました。
 博士論文については、今月から第二章の執筆に取りかかりました。この章では、1920年代から1930年代にかけてのイタリアでアメリカ文化がどのように受容されていたのかを論じます。新しい章に入るにあたり、まずは関連文献に再び目を通し、章全体の構成を再検討した上で、第二章第一節の執筆を開始しました。この第一節では、ファシズム政権下のイタリアにおけるアメリカ大衆文化の普及について論じます。第一次世界大戦後のイタリアでは、映画や音楽、出版などの分野で多くのアメリカの作品が輸入され人気を得ました。ファシズム政権とアメリカ文化とは対立的なものとして捉えられがちですが、実際のところ少なくとも1930年代前半までは外国文化に対する厳しい規制はなく、多くのイタリア人が政治的立場に関わらずアメリカの大衆文化に親しんでいました。まずは、こうした文化状況を時代背景として提示することを目的に執筆を進めました。
 2月14日にはボローニャ大学のイタリア文学部で、今年度論文提出予定者のための最終的な会合が開かれました。会合には私を含めた4人の大学院生とそれぞれの指導教員が集まり、論文の進行状況や見通しについての話し合いの後、論文提出や審査の日程に関する最終的な決定が行われました。その結果、私の論文の最終的な締め切り日は7月27日と決定されました。論文審査の日は予定通り9月12日ということで承認されました。論文をできる限り早く完成させ余裕を持って提出できるよう集中的に執筆作業に取り組みたいと思います。

 

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