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2012年2月 月次レポート(説田英香 ドイツ)

2月レポート
説田英香
派遣先: フライブルク大学

2月13日から、コブレンツにある連邦文書館へ史料収集に出かけた。今回の調査は3月の一週目まで予定しており、まだ進行中であるため、本レポートはその中間報告とする。

報告者は2月から文書館での調査に向けて準備を行ってきた。そこでは主に、連邦文書館のオンラインデーターベースを使用し、閲覧希望史料リストの作成を行った。 また、今月の頭には東京外国語大学の指導教員である相馬保夫先生とフライブルクでお会いする機会があり、指導の時間をとっていただくことができた。その際、文書館での調査の仕方や注意点などのアドバイスを多くいただいた。報告者は以前にも同プログラムの支援により、同文書館での短期調査を行っている。報告者にとっては、今回が初めての本格的な文書館での調査であったが、以上のような背景のお陰で、スムーズに調査を開始することができた。

フライブルクからコブレンツまでは特急列車を乗り継ぎ、片道約3時間半かかるため、13日はお昼頃現地に到着した。事前に閲覧希望の史料を注文していたこともあり、到着当日から史料を手にすることができた。コブレンツ連邦文書館の開館時間は、月?木曜日は8時?19時、金曜日は8時?16時と比較的長い。第一週目は、所蔵史料の把握、史料の見方、ノートの取り方などといった、基本的な作業に慣れることに精一杯であった。本文書館では、閲覧室にあるデータベースを利用し、検索のみならず史料の注文もすることができる。注文できる史料の数に制限はないが、一度に受け取ることのできるファイル数が原則として5つまでと限られているため、多くのファイルを平行して見ることができない。また、紙媒体の史料は大閲覧室、マイクロフィルムの史料はフィルム室での閲覧といったように、史料の媒体により閲覧場所が指定されており、両者を平行して見ることもできない。報告者が閲覧した史料は第一区分として省庁別、第二区分としてテーマ別にファイリングされており、その中で更に日付順に整理されている。従って、それぞれ異なる省庁のファイルおよびフィルムに同史料が綴じられていることも多々ある。閲覧するべきファイルの数が膨大なため、記憶に頼ることは不可能であり、目を通した史料の記録をしっかりと行っておかないと、重複複写や同じファイルを頻繁に見直すという事態に陥ってしまう。これらを避けるため、重要度が高いと予測される史料を中心にファイルごとの目録を作成した。そして、その目録をベースに内容の書き写しやコピーの申請作業を行った。同時に、この方法により、議論の展開を時系列順に把握することができた。今回は、外国人(労働者)政策に関連する史料が最も多く含まれる、労働省と労働庁のファイルを中心に調査を行った。また、テーマによってはそれらと平行して、内務省の史料も閲覧した。ある程度史料を閲覧した段階の2週目後半には、文書館の専門職員との面談を設定し、目録では見つけることのできなかった史料の所蔵などといった基本的な諸事項から、史料の見方などといった具体的な事項について話を伺うことができた。これまで、報告者は所蔵史料検索の際、主にキーワード検索を行っていたが、各史料に記されている省庁番号からの検索方法を教えてもらい、一層合理的な検索ができるようになった。これまで所蔵史料の網羅的な検索がうまくできていなかった報告者にとって、この点は大きな収穫となった。

今回の文書館訪問にあたっての当初の目標は、1975年から1985年までの外国人(労働者)政策に関する議論の流れをマクロレベルで把握することであった。しかし、連邦文書館に所蔵されている史料は、30年後、中には60年後の公開となっているため、時期的に1982年以降の史料を閲覧することができなかった。このような理由から、今回は1975年から1981年までの外国人(労働者)政策に対する主要省庁の立場を把握することにした。82年から85年の史料に関しては今後、史料公開時期の短縮申請を行い、次回4月に予定している訪問の際に閲覧することとする。

実りのある文書館訪問になるよう、残りの一週間、集中して調査を行いたい。

以上

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