2011年12月 月次レポート(蔦原亮 スペイン)
12月月次レポート
蔦原亮
マドリード自治大学
今月末に自治大学の言語学の大学院向けの授業が終了した。筆者は理論言語学、語彙論、コーパスに関する授業に出席していた。いずれの授業でも、各分野における細かい道具立てに関する説明は少なく、根本的な各分野における理論や発想の根本、原理の説明に多くの時間が割かれ、大変興味深いものであった。
また、所属する情報言語学の研究室でMoreno先生から400ほどの英語の接頭辞、接尾辞のリストを渡されそれに対応する日本語の接頭辞、接尾辞のリストを作成するように依頼され、完成させた。筆者はこれまでに形態論についてあまり考えたことはなかったのだが、今回のリストの作成を通じて、日本語と英語やスペイン語といった印欧語の語形成について考え、理解を深めることが出来たように思われる。
マドリードに到着してからすでに三か月が経過した。この三カ月の間、筆者はメインのテーマである時制に関する論文をひたすら読み、様々なコーパスから出力される実際の各時制形式の使用を観察することに費やしてきた。そしてこの間に、今後の研究の方向性がかなり具体化され、さしあたって分析したいと思われるデータも見つかった。この二点に関して、理論方面でお世話になっているDe Miguel先生について相談したところ、「面白いのではないか」という感想と、数点のアドバイスを頂くことが出来た。そして、コンプルテンセ大学の時制論の専門家であるGarcía Fernandez先生に紹介していただけることになった。少々個人的な話ではあるが、G.F先生の論文は学部の頃から愛読しているので、機会を頂けて大変うれしく、ありがたく思った。G.F先生には一月に相談に伺う予定であり、冬休みの間は相談の内容を再検討し、いただける場を最大限有意義なものにできるようにしたい。