2012年11月 月次レポート(鈴木佑也 ロシア)
2012年度11月月次報告(鈴木佑也)
今月もアーカイヴでの作業でほとんどの時間を費やした。しかしながら、収集するべき資料はほとんど集め終えたと思う。これは私だけかもしれないが、資料を集めている段階(資料を書き写している段階)では一応目を通しているのだが、おおよそ半分くらいしかその資料の内容を覚えていない。そのため、二度目を通すことになり、時間を無駄に費やしてしまう。この点を解消するために、様々な方法を試みているが、現段階ではテーマに関連するキーワードを設定して、それに関連する情報を適宜別途で記すということを行っている。一定量の情報を集めると、一見して関連のない情報が散乱することになるが、それらに自分の思いつくテーマに沿って関連付けをしていくと一つの大まかな流れができる。これをそのときに取り組んでいる研究テーマとどのように関連ないしはそれと位置づけが可能かということを検証すると一つの論文構成になる。まだ試行段階であるので、なかなか合目的的にまとまらないが、無駄な時間を減らすためにも今後試行しながらこうした方法論をしっかり身につけて今後の研究に活かしていきたい。
上記した集めた資料の中で気になった点を今回は記してみたい。ソ連の建築家が一つの団体に所属し、政府の方針に従った建築を創造することを採択した第一回ソ連建築家同盟会議を調べているのだが、この会議を開くための下準備に約5年の時間が費やされている。このことは第一回であるから色々と試行錯誤したためそれだけ時間がかかったということも言えるだろうが、長いと言わざるを得ない。例えば、当時の大型建築競技設計の準備でも1年から2年掛かっている。会議と建築競技設計を比較するのは適切ではないかもしれないが、実際の建築物を考案するよりもその根幹となるコンセプトや方針といったものがそれほど重用され