2012年4月 月次レポート(説田英香 ドイツ)
4月レポート
説田英香
派遣先: ドイツ、フライブルク大学
報告者は4月23日から、コブレンツ連邦文書館での史料収集を予定していたため、4月の前半はその準備に充てた。具体的には以下の作業を行った。一つ目に、3月に行った第一回目文書館訪問の際に書き写したデータと一部のコピーをもとに、1975?1981年までの外国人政策についてまとめた。しかし、当初は1?2週間と見込まれていたコピーの仕上がりが大幅に遅れ、出発の23日までに手元に届かなかったため、調査開始までに十分な史料の読み込みができなかった。二つ目に、今回の調査対象時期として設定していた、1982?1985年における外国人政策の議論を年表にまとめた。三つ目に、先月に引き続き、史料の公開時期短縮申請手続きを行った。3月に行っていた申請の返事を連邦文書館から受け取り、申請した史料の半分以上はこの先、更なる審査手続きが必要、とのことであった。その中でも一部の史料は、まだ各省庁の権限下にあるということで、情報公開法(Informationsfreiheitsgesetzes, IFG) に基づく申請が必要となった。その申請に対する省庁からの返事はまだ受け取っていないため、それらの史料の閲覧時期及び閲覧が自体可能かどうかということは現段階ではまだ不明である。他方で、連邦文書館の管轄下にある史料のうち、1982年のものに関しては審査に通過したため、今回の文書館訪問の際に閲覧する事ができた。残りの史料に関しては、7月以降に通達があるとのことである。
次に、文書館での史料収集について簡単に報告する。23?27日の一週目は、前回の補足も兼ね、1972?1981年における内務省の史料を閲覧した。前回の調査では、 1975年以降の史料に限定したために、文脈の把握が難しく、議論の位置づけが困難であった箇所がいくつかあった。従って、外国人労働者の歴史において重要な区分となる「外国人労働者雇用停止」を軸とし、1972年前後の史料まで遡った。前回、主に閲覧を行った労働省と労働庁に比べ、内務省の史料は比較的すっきりとまとめられており、議論の流れが掴みやすかった。 従って今後は当面、内務省の史料を閲覧し、ある程度流れができた段階で再び労働省、そして更に労働庁の史料に戻ることにしたい。第二週目(5月)には、1982年の帰国促進政策に関する史料を閲覧する計画である。
以上