国際日本学

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教員インタビュー

前川 喜久雄 MAEKAWA Kikuo

役職/
Position
大学院国際日本学研究院 元教授(NINJAL)
研究分野/
Field
音声学、日本語話し言葉コーパス

Q1. ご自身の研究内容について簡単にお教えください。

A1. ここ20年ほどは、自発音声の研究、つまり朗読ではなく、普通に、考えながらしゃべっているときに、音声がどのように生成されているかを、大量のデータを使って分析してきました。数年前からはMRIを使って調音運動の動画を収集し、データベース化する仕事も進めています。

Q2. 東京外国語大学では学生に対してどのような講義をされていますか。

A2. 日本語の自発音声の韻律的特徴全般に関する講義をしています。内容の大部分は自分自身の研究成果です。音声に興味のない学生諸君にはちょっと退屈かもしれません。申し訳ありません。

Q3. 国際日本専攻は、日本発信力の強化に力を入れる方針をだしています。このためには、何が必要と思われますか。

A3. 英語をはじめとする発信のためのスキルを身に着けることはもちろん大切ですが、発信するに値する情報をもっていることがもっと大切でしょう。そうでないと、人の作った情報の再発信か、悪くすると単なるノイズの垂れ流しになってしまいます。

Q4. 東京外大および学生に対してどのような印象をお持ちですか。

A4. 語学力に関しては文句なく優秀ですね。言語学などの周辺領域についてもよく教育されていると思います。一方、自然科学や社会科学との接点が少ないようです。学生のみなさんはクラブ活動などを通じて学外に交友関係を広げてほしいと思います。

Q5. 海外からみて、日本のいいところ、足りないところ

A5. この質問には答える必要がないのかもしれませんが、一応回答します。むかし短期間米国で研究していたとき、競争意識が強すぎる人、他人との関係を自分より上か下かでしか認知することができない人があちこちにいて、辟易したことがあります。いまの日本社会は経済界主導で競争社会を志向しているように見えますが、それが日本社会の良さを消してしまう気がしてなりません。

※国立国語研究所(NINJAL)とのクロスアポイントメント

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