SHINOHARA Taku

氏名 / Name 篠原 琢 (SHINOHARA Taku)
所属職名 / Affiliation 大学院総合国際学研究院/教授
Institute of Global Studies/Professor
電子メール / Email
ウェブページ / Website
学位 /
Degree
  • 修士(文学)(東京大学) 1989年
  • 博士(歴史学?チェコ史)(カレル大学プラハ(Univerzita Karlova v Praze チェコ共和国)) 2015年
    Ph.D. (history/Czech history)(Others) 2015
研究分野(e-Rad分野) /
Research Field(s) (by e-Rad)
  • ヨーロッパ史、アメリカ史
    History of Europe and America
研究キーワード /
Research Keywords

自己紹介 / Biography

最初のプラハ留学は、社会主義政権、東欧ブロックが崩壊した、その余韻のさめやらない1990年のことだった。プラハのどこでも、「ヨーロッパへ帰ろう」がスローガンとなっていて、授業にでても、学術集会にでても、「ヨーロッパ的自由」、「ヨーロッパ的価値」は、まるで魔法のことばのように、すべての人を結びつけるものだった。「二つの世界戦争」などまるでなかったかのようで、ぼくには違和感ばかりあったが、その場で異議をとなえることはできなかった。何か自分が場違いなところで、見えない人間になったかのようだったのだ。
 そのようなある場で、「ヨーロッパ」を、その「死」も含めて、歴史的に論じようと提起したのが、オットー?ウルバン教授、ぼくのプラハでの師であった。ウルバン先生は、歴史を考える上でつねに開かれた対話の可能性を重く考えていた。近代のチェコ社会の形成を万華鏡のように多面的に描いた大著『チェコ社会』もそのような態度に貫かれている。先生との対話こそが、ぼくのチェコ研究の原点である。

学歴 / Academic Achievement

  • 1989年03月 東京大学人文科学研究科西洋史学専攻 修了
    1989.03 The University of Tokyo Graduate School, Division of Humanities Completed
  • 1993年03月 東京大学人文科学研究科西洋史学専攻 中退
    1993.03 The University of Tokyo Graduate School, Division of Humanities Unfinished Course
  • 2015年08月 カレル大学プラハ人文科学研究科チェコ史(?stav ?esk?ch dějin) 修了
    2015.08 Charles University Prague Graduate School, Division of Humanities Completed

所属学会 / Affiliated Academic Societies

    • 東欧史研究会
      Association for East European History
    • 史学会
      Shigakukai
    • 歴史学研究会
    • 日本イコモス国内委員会
      Japan ICOMOS National Committee

受賞 / Awards

  • 日本翻訳大賞 (2015年04月)

主要研究業績 / Main Research Publications

論文 / Papers

  • 帝国を語り直す, 思想, 1203号, 68-85, 2024年
  • 第二次大戦を『過去に葬る』―現代史の見直しと冷戦体制の克服, 歴史学研究, 1037号, 15-23, 2023年
  • 中央ヨーロッパが経験した二つの世界戦争, 『岩波講座 世界歴史21、二つの大戦と帝国主義II』, 201-222, 2023年
  • ネイションの自然権から歴史的権利へ:フランチシェク?パラツキーの帝国国制論, 歴史学研究, 156-164, 2021年
  • 「名前のないくに」 「小さな帝国」チェコスロヴァキアの辺境支配, 民族自決という幻影 ハプスブルク帝国の崩壊と新生諸国家の成立, 109-146, 2020年
  • 帝国, 論点?西洋史学, 2020年
  • Defining the Public Sphere through Cultural Boundaries: Creating a ‘Czech’ National Society in Nineteenth Century Bohemia, Entangled Interactions between Religion and National Consciousness in Central and Eastern Europe, 130-149, 2020
  • 雑誌『六月』と第一次世界大戦, チャペック兄弟とその時代, 9-24, 2017年
  • 「ユダヤ文化」の復興? ポーランドにおける多文化社会の再構築の試み, 多文化社会読本, 56-74, 2016年
  • バリケード上のアマゾネス 1848年革命の女性像, 画像史料論 世界史の読み方, 200-203, 2014年
  • 国民がみずからの手で! チェコ国民劇場の建設運動, ハプスブルク帝国政治文化史 継承される正統性, 183-240, 2012年
  • 中央ヨーロッパを思い出す, ユーラシア世界 第5巻 国家と国際関係, 227-253, 2012年
  • ヨーゼフ寛容令と「非カトリック教徒」 チェコ農村における宗派の問題, 友愛と秘密のヨーロッパ社会文化史, 155-198, 2010年
  • チェコ異論派の全体主義論と歴史認識, いま社会主義を考える 歴史からの眼差し, 239-260, 2010年
  • 歴史と市民社会, 国民国家と市民社会, 216-248, 2009年
  • 東欧諸国における第二次世界大戦の記憶, 学術の動向, 14巻3号, 88-93, 2009年
  • 祭典熱の時代 つくられたチェコ性によせて, 歴史的ヨーロッパの政治社会, 553-592, 2008年
  • 地域概念の構築性 中央ヨーロッパ論の構造, 講座スラブ?ユーラシア学 第1巻開かれた地域研究へ:中域圏と地球化, 119-141, 2008年
  • Hisitorcical consciousness and civil ethics: Debating the "Painful Past" and reviving "Central Europe" among dissidents circles, Regions in Central and eastern Europe -past and present, 2007年
  • 地域の歴史へのまなざし, 朝倉世界地理講座 東ヨーロッパ?ロシア, 22-36, 2007年
  • 中央ヨーロッパとは何か 異論派サークルにおける現代史論争, 東欧の20世紀, 295-325, 2006年
  • 民族の記憶―第二次世界大戦と東欧世界―, 『立命館言語文化研究』、15巻2号(立命館大学国際言語文化研究所紀要), 15巻2号, 55-66, 2003年
  • 文化的規範としての公共圏―王朝的秩序と国民社会の成立―, 『歴史学研究』、781号, 781号, 16-25, 2003年
  • 世紀転換期のプラハと「チェコ?モデルネ」, チェコにみる装丁デザイン ブックデザインの源流を探して, 88-91, 2003年
  • Communal Autonomy as a Base of Civil Society: Local Autonomy and the Building of National Culture in Bohemia in the 19th. Century, The Construction and Deconstruction of National Histories in Slavic Eurasia. Slavic Research Centre, Hokkaido University, Sapporo, 311-330, 2003年
  • 亡命者の交差点 戦間期のプラハ, 七つの都市の物語, 67-104, 2003年
  • 『市民社会』の構想と歴史認識 ―1990年代のチェコ社会―, 『東欧史研究』第24号, 24号, 79-95, 2002年
  • どこから何をながめ、誰に向かって語るのか ―チェコ社会の現在と歴史叙述―, 『東欧史研究』第23号, 23号, 100-107, 2001年
  • Legitimizace historie a koncepce národních dějin, Dějiny a sou?asnost (Praha), 6号, 2-5, 2000年
  • 「長い19世紀」の分水嶺, ドナウ?ヨーロッパ史, 176-217, 1999年
  • マサリクと『新しいヨーロッパ』-主体としての『国民』と『中央ヨーロッパ』の多様性―, 『地域と地域統合の歴史認識(その3)中欧とバルカン』(「スラヴ?ユーラシアの変動」 領域研究報告輯No.74、北海道大学スラヴ研究センター, 1998年
  • Central European Discourses from Historical Perspective, The emerging new regional order in Central and Eastern Europe, 29-46, 1997
  • 中央ヨーロッパ:その高度な政治性, 地理, 41巻5号, 38-46, 1996年
  • Some Characteristics of the Development of the Rural Society in Bohemia, The Transformation of the Systems of East-Central Europe Rural Societies before and after 1989, Kecskemét (Hungary), 1996., pp. 29-38, 1996年
  • 国民形成と地域社会-ターボル運動を例として-, 『歴史学研究』677号(1995年増刊号)101-106頁, 677号, 101-106, 1995年
  • V?voj japonské historiografie po druhé světové válce, Historické listy (Praha), No.3 (1995) pp. 37-40, 1995年
  • 地方自治と『国民社会』-ボヘミアの事例を通してみたハプスブルク帝国の地方自治制度-, 『人民の歴史学』、126号(1995年冬)1-13頁, 1995年
  • ボヘミアの村落社会と自治制度(1848年-63年)-1848年革命以後の国家と地域社会-, 『現代史研究』、39号(1993年)1-20頁, 1993年
  • 1848年革命とボヘミアの農村住民, 『史学雑誌』、第100編(1991年)10号 1-40頁, 1991年
  • 第二次大戦後の中部ヨーロッパ秩序と「ズデーテン?ドイツ人」の追放問題, 歴史と地理, 420号, 1-14, 1990年

書籍等出版物 / Books and Other Publications

  • ハプスブルク家の歴史を知るための60章, 明石書店, 教科書?概説?概論, 分担執筆, 2024年
  • チェコを知るための60章, 明石書店, 教科書?概説?概論, 分担執筆, 2024年
  • スロヴァキアを知るための60章, 明石書店, 教科書?概説?概論, 分担執筆, 2023年
  • ハプスブルク事典, 丸善出版, 事典?辞書, 分担執筆, 2023年
  • 中欧?東欧文化事典, 丸善出版, 事典?辞書, 分担執筆, 2021年
  • 論点 西洋史学, ミネルヴァ書房, 教科書?概説?概論, 分担執筆, 2020年
  • 新しく学ぶ西洋の歴史 アジアから考える, ミネルヴァ書房, 教科書?概説?概論, 分担執筆, 2016年
  • 友愛と秘密のヨーロッパ社会文化史, 東京大学出版会, 学術書, 共著, 2012年
  • 世界史史料11 20世紀の世界II 第二次世界大戦後 冷戦と開発, 岩網書店, 教科書?概説?概論, 分担執筆, 2012年
  • 国民国家と市民社会, 山川出版社, 学術書, 共編者(共編著者), 2009年
  • 講座 スラヴ?ユーラシア学 第一巻, 講談社, 学術書, 共著, 2008年
  • 世界史史料6 ヨーロッパ近代社会の形成から帝国主義へ, 岩波書店, 教科書?概説?概論, 分担執筆, 2007年
  • 朝倉世界地理講座 東ヨーロッパ?ロシア, 朝倉書店, 学術書, 共著, 2007年
    Asakura World Geography: Eastern Europe and Russia, Asakura Publishers, Scholarly book, Joint author, 2007
  • 東欧の20世紀, 人文書院, 学術書, 共著, 2006年
    Eastern European 20th. Century, Jinbunshoin Publishers, Scholarly book, Joint author, 2006
  • 国際政治事典, 弘文堂, 事典?辞書, 分担執筆, 2005年
  • 歴史学事典 第12巻 王と国家, 弘文堂, 事典?辞書, 分担執筆, 2005年
  • 歴史学事典 第10巻 身分と共同体, 弘文堂, 事典?辞書, 分担執筆, 2003年
  • 歴史学事典 第5巻 歴史家とその作品, 弘文堂, 事典?辞書, 分担執筆, 1997年
  • 東欧を知る辞典, 平凡社, 事典?辞書, 分担執筆, 1993年

MISC / MISC

  • 書評:長與進『チェコスロヴァキア軍団と日本1918-1920』(教育評論社、2023年), スラヴ学論集, 書評論文,書評,文献紹介等, 単著, 2024年
  • 書評:川喜多敦子『東欧からのドイツ人の追放』(白水社、2019年), 東欧史研究, 東欧史研究会, 書評論文,書評,文献紹介等, 単著, 2020年
  • 書評:巽由樹子『ツァーリと大衆 近代ロシアの読書の社会史』(東京大学出版会2019年), クアドランテ, 東京外国語大学海外事情研究所, 書評論文,書評,文献紹介等, 単著, 2020年
  • 中央ヨーロッパの食卓、チェコの食卓, Vesta, 味の素食の文化センター, 記事?総説?解説?論説等(商業誌、新聞、ウェブメディア), 単著, 2019年
  • 書評:橋本伸也編著『せめぎあう中東欧?ロシアの歴史認識問題』(ミネルヴァ書房), 東欧史研究, 書評論文,書評,文献紹介等, 単著, 2019年
  • ヨーロッパ史をどう書くか、20世紀史をどのように描くか マーク?マゾワーの著作をめぐって, 歴史学研究, 歴史学研究会, 書評論文,書評,文献紹介等, 単著, 2016年
  • 「国民の社会」をどのように把握するか, 日本歴史学協会年報, 日本歴史学協会, 速報,短報,研究ノート等(大学,研究機関紀要), 単著, 2015年
  • ハプスブルク帝国における「議会主義的伝統」, 東欧史研究, 速報,短報,研究ノート等(学術雑誌), 単著, 2005年
  • 聖公ヴァーツラフをめぐる記憶と政治, 歴史と地理, 記事?総説?解説?論説等(学術雑誌), 単著, 2004年
  • ドヴォジャークの行きた時代と「チェコ文化」, 都響, 記事?総説?解説?論説等(商業誌、新聞、ウェブメディア), 単著, 2003年
  • 世紀転換期のプラハと「チェコ?モデルネ」, チェコにみる装丁デザイン ブックデザインの源流を探して, 記事?総説?解説?論説等(その他), 単著, 2003年
  • 回顧と展望 2001年の歴史学界、近代?ドイツ, 史学雑誌, 史学会, 書評論文,書評,文献紹介等, 単著, 2002年
  • チェコの19世紀をめぐって 自己表象の歴史学, 東欧史研究, 東欧史研究会, 速報,短報,研究ノート等(学術雑誌), 単著, 1997年
  • 1989年以前と以後における中?東欧の地方社会の体制転換(モントリオール第18回国際歴史学会議報告, 歴史学研究, 歴史学研究会, 速報,短報,研究ノート等(学術雑誌), 単著, 1996年
  • 回顧と展望 1993年の歴史学界、近代?東欧, 史学雑誌, 史学会, 書評論文,書評,文献紹介等, 単著, 1994年
  • チェコ歴史学の新しい胎動, クリオ, 東京大学文学部西洋史学研究室, 記事?総説?解説?論説等(大学?研究所紀要), 単著, 1994年
  • 変化のなかのリンツ会議, 歴史学研究, 歴史学研究会, 速報,短報,研究ノート等(学術雑誌), 単著, 1992年
  • 新社会への壮絶な争い 混迷のチェコスロヴァキア社会, 歴史学研究, 歴史学研究会, 記事?総説?解説?論説等(学術雑誌), 単著, 1991年
  • 書評:増谷英樹『ビラの中の革命』(東京大学出版会), 東欧史研究, 東欧史研究会, 書評論文,書評,文献紹介等, 単著, 1987年

Last updated on 2024/9/2

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