2017年度 活動日誌
3月 活動日誌
2018年4月2日
GJOコーディネーター 正木みゆ
3月だというのに、吹雪が続いたベオグラードでした。
「三寒四温」「寒の戻り」などと日本でも言いますが、同じような言い方がセルビアにもあります。暖かくなってもいったんまた冷える…というのが春先ですが、それにしても連日の吹雪は戻りすぎだと思いました。
月末近くなり、ようやく暖かさが戻ってきて、安心しているところです。
【夏学期授業の開始】
本格的に、「夏学期」が開始しました。開始直後は教室使用の調整などがありあわただしいのですが、3月も半分をすぎたあたりでなんとなく落ち着き、学生たちも休みモードから勉強モードに変わってきました。
【3月8日―国際女性デー】
日本ではまだそれほど認知されていませんが、セルビアでは他のヨーロッパ諸国と同じように、3月8日に『国際女性デー』があります。日本でいうバレンタインに似ていますが、こちらでは女性が尊重される日です。当日は道端に花屋の屋台が出て、道行く人々が一輪のバラや花束を買っていました。
私も課外活動のリーダーたちからバラを一輪もらい、その後授業のあった1年生からも花をもらいました。日ごろは花をもらう機会などあまりないので、気恥ずかしくも面はゆいイベントです。
驚くべきことに、なんと大学の女性職員には(教授から清掃員の方まで全員に)臨時手当が出ました。少額ながら、毎年のことのようです。こうなってくると男女で不平等な気もするほどですが、ありがたく受け取っておきます。
【大使館の『同窓会』イベント】
大使館で行われた『同窓会』に招待され、出席しました。
この集まりは毎年、これまでに日本へ留学した経験のある学生や卒業生を集め、交流を図る会です。
当地では日本語関係の仕事というものがまだまだ少ないので、せっかく留学をして帰ってきても、その後の身のふり方を決めかねていたり、進路に悩む学生は数多くいます。
このような交流の機会を通して留学生同士の連携を深められ、後輩たちにとっては将来設計にとってとても有用な情報交換の場となっています。
2月 活動日誌
2018年2月28日
GJOコーディネーター 正木 みゆ
2月も終わりになり、ベオグラードは急に冷え込みました。
大寒波で大変そうな東京を暖冬のベオグラードから眺めていたのに、なぜかここに来て吹雪です。セルビアの雪はさらさらで、あまり水分がないのが救いかもしれません。しかし本当につらいのは、雪が降ったあとの雪道です。ベオグラードは、一度寒くなるとしばらく暖かくなりませんから、大勢がブーツで踏みしめて歩いたあとの雪が凍ってツルツルになってしまいます…。
雪がとけたあとも、本当に暖かくなるのは5月ごろです。長い冬です。
【定期試験の実施-後期開始】
外が寒いため、室内は暖かいのがせめてもの救いです。前期最後の定期試験が実施されました。この時点で前期試験に合格できなくても、学年は変わらないのでまだ落第確定ではありません。今回落ちた学生には、後期試験でがんばってほしいです。
2月最終週、やっと後期授業が開始しました。文学部は学生数のわりに教室に余裕がなく、毎学期開始時には時間割の調整が大変です。教室の有無に加えて、学生たちの都合を鑑みなければなりません。
【中東欧地域の日本語教員研修への参加】
国際交流基金ブダペスト文化センター主催の教員研修会があり、ベオグラード大学からの招聘参加者として参加してきました。
中東欧地域で日本語教員をしていらっしゃる先生方が集まる研修会で、高等教育機関から高校、日本語学校まで幅広い現場のご意見をうかがうことができました。普段はベオグラード大学の日本語科以外の先生方とお会いすることがないので、大変励みと勉強になりました。
【夜のブダペスト】
文化をどう日本語教育に取り入れるか、をテーマに各国?地域の先生方とディスカッションをしました。
また他機関の先生方とお話しし、ベオグラード大学の日本語科としてどのような力を養うべきか、と考えさせられました。
後期からの授業もわずか3か月ほどですが、研修会で考えたことを活かせるような授業を考えていきたいと思います。
1月 活動日誌
2018年1月31日
GJOコーディネーター 正木 みゆ
2018年1回目の活動日誌です。
本年も当地の様子を、ベオグラードからお送りしてまいります。
実は、2017年の1月は数十年に一度の寒さを記録する大変な冬でした。連日すごい吹雪の週もあり、寒すぎて外に出られない!歩けない!という状況でしたが、2018年はその反動か、暖冬だと言われています。
今月、ベオグラードで雪が降ったのは2回ほどでしたし、もう春が来たかと思うような陽気の日もありました。私事ですが年末年始はエジプトに旅行に出ていたため、帰ってきて相当の寒さを覚悟していたのですが、飛行機から降りても「まだエジプトにいるんだろうか…」と思うような暖かさでした。
【定期試験の実施】
そんな暖冬の中、今年度の初めての定期試験が実施されました。2017年度入学の1年生にとっては、初めての大事な試験です。これに1月試験で合格すれば、2月最終週までは冬休みです!
一番大事な「現代日本語」の試験は毎回、日曜日の朝8時に実施されます。1月にしては暖かい日だったので学生の手がかじかむこともなく、我々教員としても比較的楽な試験期間となりました。
【小学校への視察】
日本語科が三菱商事?大使館と合同で行っている日本語普及プロジェクトの業務で、コーディネーターとして派遣校へ視察に行ってきました。
今回はベオグラード新市街にある小学校で、今年が初めてのプロジェクト参加となったところです。加えて派遣講師も今年からの参加で、初参加同士の組み合わせでした。
しかしお邪魔してみると校長先生が講師ともども温かく迎えてくださり、何より生徒たちと講師の信頼関係が出来ていました。送り出した側としては、ほっと一安心です。
今年度、日本語学科が卒業生を日本語講師としてトレーニングして派遣している学校は全部で17校あります。全てに視察に行くことは難しいですが、なるべく色々な講師たちの現場を見ていきたいと思います。
12月 活動日誌
2017年12月
GJOコーディネーター 正木 みゆ
12月、いよいよ2017年最後の月になりました。
今月で冬学期が終わり、長い試験期間に入ります。しばらく学生たちとも顔を合わせないと思うと、休みがくるのもすこし寂しく感じます。
さて、セルビア?ベオグラードでも他のヨーロッパの国々と同じく、広場にクリスマスの屋台が並ぶ時期が来ました。おかしから軽食、この時期の風物詩です。寒かったり暖かかったりと落ち着かない気温ですが、北海道のごとく、室内はたいてい暖かく過ごしやすいです。
【2017年度第2回 日本語能力試験実施】
12月3日、日本語能力試験の12月回が実施されました。当日は朝からあいにくの初雪となったベオグラード、なんと当日には市内を走るハーフマラソンも予定されていました。
しかし幸いそこまでは勢いがなかったので、交通に大きな影響を与えることもなく時間通り開始することが出来、安心しました。
申込者数は100名程度で、日本語能力試験会場としてはさほど大規模ではありませんが、やはり運営スタッフたちも緊張します。受験生たちはそれ以上に緊張していました。ここ数か月の努力が報われる時です。
【中間試験「コロキウム」】
12月に入り、中間試験の「コロキウム」がいろいろな科目で実施され始めました。12月の中旬からだんだん出始め、月末までにすべての科目で行われます。コロキウムの点数も成績評価の中で大事な要素となるため、学生たちは勉強漬けの一か月でした。
11月 活動日誌
2017年11月
GJOコーディネーター 正木 みゆ
11月、寒くなったり少しマシになったりを繰り返したベオグラードでは、風邪が大流行しました。11月にはセルビアでの大事なお祝いごとである「スラヴァ」の日(各家庭によって違います)が多いので、風邪とスラヴァで学生数が半分ほどにまで減った授業もありました。
スラヴァは各家庭の守護聖人の日に親族一同、近所の人々で集まって大いに飲んだり食べたりする日です。この日は仕事も学校も休み、実家に集まります。日本では仕事を休めるような行事は葬式、法事の類ですので、お祝い事で休める日があるのを羨ましく思ってしまいました。
【鈴木先生のご訪問】
TUFSの留学生センターから、鈴木智美先生がご調査のために本学へいらっしゃいました。学生たちへの日本語教育アンケート調査を数日にわたり行われ、合間に学生たちとの交流もしてくださいました。
【カフェで日本語ゲームをする様子】
部活動の一つ「ぺらぺらカフェ」活動の一環として鈴木先生に町を案内し、カフェに入って日本語を使ったゲームなどをしました。コーディネーターと部活動リーダーの学生とでアレンジしましたが、日本語ゲームという新たな試みも成功して楽しい時間となりました。
【JLPTの対策授業開始】
10月の終わりから、JLPTの対策授業を実施していました。それぞれのレベルごとに毎週90分、問題集を解いたり講師作のプリントを解いたりします。時間割の関係上、早朝か夕方になることが多いので学生にとっても軽くない負担になっていたと思いますが、だいたいの学生は熱心に受講していました。
10月 活動日誌
2017年10月
GJOコーディネーター 正木 みゆ
【入学式?初顔合わせ】
10月2日、新一年生の入学式があり、語科ごとの説明会がありました。
そこそこ広い教室に、一年生たちがぎゅうぎゅうに詰まっています!
ここから最短四年、日本語の旅が始まります。この中にはすでに日本語を勉強したことがある人もいますが、ほとんどがひらがなも初めての学生です。右も左もわからない状態からだんだん世界が開けていくのを見るのは、毎年とても面白いです。かれらはどんな日本語を話すようになるのか、そばで見られるのが楽しみです。
【日本人アーティストの個展開催】
10月半ばから二週間ほど、ベオグラード中心部のギャラリーで版画アーティスト?永井研治氏の個展が開催されました。
ベオグラード大学の山崎佳代子教授のお知り合いだったご縁で、日本語科の学生たちとギャラリー内でワークショップ形式の授業がありました。
絵を見て感じたことをそれぞれ口にしたり、日本語テキストの朗読を聞きながら絵を鑑賞したりと、インスピレーションに満ちた空間となり、学生たちにとっては刺激的な日本語体験でした。
9月 活動日誌
2017年9月
GJOコーディネーター 正木 みゆ
9月、そろそろバカンス期間も終わりです。9月半ばまでは「まだまだ夏」といったふうだったベオグラードですが、下旬に近づくにつれ寒い日が多くなりました。
日本には夏と冬の間に秋がありますが、当地では夏の後、冬が来ます。昨日まで暑いなと思っていたのに今日はもう寒い、という…切り替わりの時期には風邪が流行しました。
今月、大学では定期試験に加え、12月の日本語能力試験(以下、JLPT)に向けて出願受付を実施しました。また、学生がバカンスを終えて戻ってきたので、部活動も再開です。
【JLPT 2017の出願受付】
9月の4日~11日、ベオグラード大学文学部にてJLPTの出願受付がありました。大学の試験期間をかぶせて出願期間を設定していることもあり、学内の受験者が毎年たくさん挑戦します。もちろん、高校生や他の機関で学んでいる受験者、また近隣諸国からの受験者もいます。当地では年に二回あるうちの一回(12月試験)のみの実施ですが、年に一度でも自分の成長を測ることができる機会があるのはモチベーション維持のためにも良いことです。
今年も100名以上の出願がありました。ここから3か月、12月の本番に向けて、どのレベルの人にもがんばってほしいですね。
【9月期?10月期の定期試験実施】
JLPTの出願と共に、定期試験が再開しました。9月頭に「9月期」の試験があり、終わりには「10月期」の試験があります。なかにはバカンス中の旅行で黒くなった学生も。楽しそうな夏休みの余韻を感じます。
【部活の再開―ぺらぺらカフェ】
試験期間の合間、ぺらぺらカフェを再開しました。10名ほど集まって、カフェで飲み物を注文して、久しぶりに日本語を話します。
数か月ぶりの日本語だった学生もいたようですが、夏休み中のことについて、話すことはたくさんありました。
夏休みは不定期でしたが、新学期からはまた定期開催に戻ります。リーダーの学生たちと、時間の設定など相談をする予定です。
8月 活動日誌
2017年8月
GJOコーディネーター 髙見 あずさ
日本では厳しい暑さが続いているようですが、ベオグラードでは朝晩の涼しさと日差しの柔らかさから、秋を感じる季節になりました。もっとも、秋を感じている間もなく冬に入ってしまう年も多いのですが…。
実家で夏休みを満喫していた学生たちも徐々に街に戻り、9月初旬の試験に向けて少しずつ大学の勉強を再開しようとしています。
【日本人高校生との交流会】
8月28日に、「トビタテ!留学JAPAN」に採用され、日本から一ヶ月のチェスの短期留学のためにセルビアに滞在していた高校一年生の大多和優斗さんが、ベオグラード大学を訪問し、日本語科の学生と交流会を行いました。
交流会のはじめには、ベオグラード大学の学生生活に関心があるという大多和さんに、日本語科のある言語学部棟内を案内しました。
その後は、ベオグラードの中心街でアイスクリームを食べたり、学生や一般の人々の憩いの場であり、観光地でもある城壁カレメグダン公園を散歩したりしました。
最後は、カフェに座って大多和さんと学生たちが会話をする時間もありました。普段は教員以外と日本語で話す機会がほとんどない学生たちは、気恥ずかしさもあって、散歩中はなかなか話せずにいましたが、カフェではお互いの話を少しずつできたようでした。
このような若い世代の学生同士の交流をきっかけに、これからベオグラードへ留学する日本人学生が増えるといいなと思っています。
7月 活動日誌
2017年7月
GJOコーディネーター 正木 みゆ
7月になりました。
「厳しい冬」という言い方がありますが、ベオグラードの日差しも「きびしい…」と唸りたくなるほど、まっすぐ肌に刺さります。すばらしく暑いです。今年は冬もここ数年で一番寒かったそうなので、反動で酷暑になりそうです。寒いほど空調の効いている日本の公共交通機関とはちがって、路線バスなどはサウナのようで、つい外出の足が鈍ります。
【ブルガリアサマーキャンプ】
7月の2日~7日に、ブルガリアの海辺の町?キテンにて「バルカン半島日本語サマーキャンプ」が行われました。
このキャンプはブルガリアのソフィア大学日本語科が国際交流基金の助成を受けて主催している日本語の合宿で、例年バルカン近隣の日本語教育機関から学習者を招待して様々な活動を行います。日本語や日本文化だけでなく、それぞれの出身地域の文化?言語について交流しながら学べるとても貴重な機会となっています。
今年もベオグラード大学から、コーディネーター1名と学生4名が招待を受けて参加しました。
今年のキャンプのテーマは「言語変種」。各機関の先生方から日本語の方言や役割語についてのワークショップを受けたり、また書道?着物体験もありました。
セルビアの学生たちは、普段、ベオグラード大学の教員以外と日本語で話す機会がほとんどありません。出発時には「自信がありません」と口々に言っていた学生たちでしたが、終わるころには「話すときに緊張しなくなりました」と笑えるほどになりました。楽しそうに他大学の学生たちと日本語で話す姿を見て、大変な道のりを頑張ってブルガリアまでやってきて良かった…と思いました。(ブルガリア?キテンまでは、バスを3回ほど乗り継ぎます。18時間ほどかかります…)
ともかく、楽しくケガもなく、サマーキャンプを終えることができました。参加した4名には、大きな成長の機会となったことでしょう。これからの勉強の糧にしていってほしいと思います。
6月 活動日誌
2017年6月
GJOコーディネーター 髙見 あずさ
6月のベオグラードは、少し肌寒いぐらいの朝晩にひきかえ、昼間は真夏のような強い日光で、日照時間も長く夜まで明るいので外で人々が楽しく集っています。この季節になると、まだまだ明るいと思ってふと時計を見ると9時前、あわてて夕食の支度をするということも珍しくありません。大学では、学年末の試験期間が始まり、提出物なども重なって学生たちは寝不足を隠しきれない様子でした。
【学年末試験開始?卒業】
2016年~17年度の学期末試験が、ベオグラード大学全体で始まりました。日本の大学の制度とはだいぶ違い、同じ学期末試験でも何度も試験期間があります。授業を同じ時期に終わっても、どの科目をいつ受けるか、または合格するかによって、学年の修了や卒業時期が変わるというわけです。
今年の四年生は、学期末最初の試験期間に多くの学生が勉強に励み、四年間過ごした日本語科からの卒業を決めることができました。コーディネーターにとっては、ベオグラードへ赴任して初めての一年生だった学生たちが卒業することとなり、それぞれの道へ進んで行く姿を見るのは、大変感慨深いものでした。
まだ全ての科目を合格していない学生もいますが、それぞれ、あと数回の試験期間のうちに卒業できることを心から祈っています!
【ベオグラード大学部活 代替わり】
これまでも何度かご紹介してきたように、ベオグラード大学日本語科では学生が主体となって、多読活動、会話クラブ、書道など教室ではできない活動を有志で集まって、授業外で行なってきました。
今月、部活を作り、仲間や後輩のために毎週計画や連絡係をしてくれていた四年生のヤナさんとアナさんが卒業することになったため、今年度最後の会話クラブ「ぺらぺら日本語カフェ」を行い、次の「部長」を選ぶことになりました。
頼もしい先輩が抜けたらどうなるかな、というコーディネーターの心配をよそに、後輩たちから次々に候補者が推薦され、活発な意見交換が行なわれていました。まだ最終決定には至っていませんが、どの学生が選ばれても責任感があり、みんなから信頼されている学生が部長になることは間違いありません。
教員であるコーディネーターにとってこれほど頼もしいことはなく、これからもより活発で、楽しく和やかな部活が続くことを信じています。
5月 活動日誌
2017年5月
GJOコーディネーター 正木 みゆ
5月、いよいよセルビアにも夏がやって来ました。町中でも学生寮でも、老若男女問わず、みんなが太陽を満喫しています。私たちコーディネーターもすっかりセルビアの「太陽人気」に染まっていて、レストランやカフェではもちろん外の席を選びます。本格的に暑くなる前で、木陰が気持ちよいひと月でした。
【年度末 合同発表会】
5月23日、町の文化センターの一室を借りて全学年の合同授業が行われました。この会では、それぞれの学年が一つずつ出し物を用意して、発表します。
一年生と二年生は日本語の歌、三年生は自作のドキュメンタリー風動画(!)、そして次の試験で卒業となる四年生は日本語科の先生方への感謝のスピーチが披露されました。
今年度いっぱいで離任となる髙見コーディネーターへの感謝の言葉の際、涙ぐむ学生たちが多数…日本語で自分の気持ちを伝える学生たちを見て、私も感動させられました。それぞれの学年のカラーが出るこの催し、また次も笑顔で迎えられるよう、一年間がんばろうと気持ちを新たにできた日でした。
【夏学期 最後の書道クラブ&読書&ぺらぺらカフェ】
日本人?日本文化に直接触れる機会の少ない当地。授業以外で日本語使うチャンスとなる課外活動の上記三つは、どれも学生たちに好評です。
書道クラブは特に熱心な学生が多く、コーディネーターたちが教室に行くとすでに新聞?道具など準備済みで、学生たちがきちんと座っている…ということも。
ぺらぺらカフェや読書も、「その時間があるから読んだり話したりできる」という声が多く、こちら側も続けてきてよかったと感じます。
学生たちへの声掛けや準備は先輩の学年が主導してくれるので、なんとか続けることができました。代替わりはしますが、来年度も楽しく課外活動が出来そうです。
今までは休暇中には行っていませんでしたが、9月の試験期間ごろには再開を考えています。みんな、9月にはもう「一」の書き方も忘れてしまっているかも…。
4月 活動日誌
2017年4月
GJOコーディネーター 髙見 あずさ
4月は正教会の復活祭があり、卵を染めたり、豚や羊の丸焼きを食べながら三連休を過ごしました。一方で、寒の戻りが激しく4月末日に雪が降るほどでした。露店のアイスクリーム屋は開いたり閉まったり…。しかし、3月に一度でも天気が良くなってしまったからには、外に座らなければならないのがセルビア人。カフェの中には座らずテラス席でコーヒーやビールを片手に、ひざには毛布をかけて外でがんばっている人が見かけられます。
【三菱商事 日本語普及プロジェクト2016年度 修了式】
4月27日に、在セルビア日本国大使館で日本語普及プロジェクトの修了式典が開催されました。このプロジェクトは、2014年度からこれまで、三菱商事および日本大使館と協力しながら、セルビア各地の小学校?高校に私たちの日本語科の卒業生を派遣して日本語の授業を行ってきたものです。今年は、3年間の中で最多の小学校7校、高校9校が参加しており、修了式にはベオグラード市内だけではなく地方からも大勢の学生や教師が集まりました。
修了式のプログラムの中には、毎年恒例である日本語を学んだ高校生や小学生による発表会があり、日本語でのスピーチや、合唱、俳句の暗唱などが行われ、終始和やかな雰囲気でした。また、派遣講師として日本語の授業を行っていたベオグラード大学の卒業生たちも、自分が担当した学生たちの成果発表を感慨深く、温かい目で見守っていました。
さらに、修了式典の終わりには、3年間のプロジェクトの成功を祝して、在セルビア日本大使、三菱商事ベオグラード駐在所所長、ベオグラード大学言語学部副学部長とコーディネーターで、日本酒の鏡割りをしました。
セルビア人の来賓や18歳で成人した高校生の中には日本酒を味わうのが初めての人も多く、驚きや笑顔にあふれた締めくくりの会となりました。このようなプロジェクトが、日本語学習者や教師にとってはもちろんのこと、親日のセルビア社会に少しでも役に立つプロジェクトとして継続されていくことを願っています。