2022年度 活動日誌

3月 活動日誌

2023年3月26日
GJOコーディネーター 久保 賢子

朝晩は肌寒いものの、日中は20度ちかくまで上がり、若者の間では、タンクトップやサンダル姿さえ見られました。「寒くないんだろうか」「夏になったらどうするんだろう」といった心配もよそに、全く平気な様子で、芝生で昼寝をする姿も見かけられました。(写真1)

さて、今月中学校や高校では遠足の時期なのでしょう。文献学部の前に広がるカテドラルを訪ねる中高生がグループでたくさん来ていました。主にイギリス、ドイツ、フランスから来ているようでした。また、日本の大学からも、春休み期間を利用してサラマンカへの語学留学をする学生が来ており、大勢と街中ですれ違い、日本の春休みが感じられる月でした。南山大学からはグループでインターナショナルコース及び日西文化センターでの短期研修に来ていましたし、個人でも短期ステイをし、長期留学の下準備としている学生もいました。

さらに、3月13日から一週間は日西文化センターで日本週間が開催されました。俳句コンクール、「オランダのおいね」(Dutch “O-Ine”)をテーマにした講演会、茶道や太鼓などのパフォーマンスがあり、日本人留学生も学部の日本語学習者もこのチャンスを逃さず、イベントを楽しんでいました。

そして、次の20 日からの一週間は、文献学部でも独自の日本文化週間が行われました。今年は、以前にも増して、特に学生が中心になって催しが繰り広げられ、同時に2 つのイベントが開催されている枠もあり、様々な人の関心に沿ったアイデアが満載のプログラム内容となっていました。特に、ゲームやカラオケ、コスプレにはみんな力を入れていたようで、反響もよかったです。中には日本人も知らない遊びなどもあり、日本留学中の経験が窺えるものや、「日本が好き」という思い入れが分かり、授業では見られない学生の活躍ぶりに色んな発見もあり、嬉しかったです。学生のこれがやりたい、みんなに教えてあげたい、といった強い想いを発揮できる場であり、また、クラスメイト同士の絆が深まるという意味でも、このようなイベントは大切だと再確認できた一週間でした。(写真2, 3, 4, 5)

(写真1)文献学部前の階段でも休憩を兼ねた日向ぼっこを。

(写真2)各学年の成果物(習字、料理レシピ、川柳)


(写真3, 4)学部の中庭で八つほどの出し物が用意され、一般にも公開されました。

(写真5)習字や折り紙のワークショップ。
(写真6)街中ではセマナサンタ(Passion Week)に向けて準備中

2月 活動日誌

2023年2月28日
GJOコーディネーター 久保 賢子

月が替わったと同時に、一気に春の到来を感じさせられる日々が続きました。そんなのどかな陽気な中、サラマンカ大学での後期の授業を目標に到着してきた日本人留学生たちがかなりいます。以前は一年間留学が主流でしたが、コロナ後は特に半年留学が目立ちます。サラマンカ大学は総合大学で、街中に学部やキャンパスが点在し、小さい町とはいえ、町全体が大学だといっても過言ではありません。事務局なども一か所にはまとまっていないため、初めて来た人にとってはかなり複雑だろうと思います。ロケーションとしても、観光客と入り交ざって、一体ここは大学なのかという印象を誰もが持つようです。日本程留学生に対する対応が細かくないことも加わり、「どこに行って何をしたらいいのかも分からない」という相談は無きにしも非ず。

授業に関しては、たいてい学部間を行き来できる範囲内で色んな授業を履修しているようです。先輩たちやスペイン人学生からどのような科目がお薦めかといった情報を入手し、入念に留学中の学習計画を立てています。このように留学生活が始まると、本当にあらゆるストラテジーを自然と駆使するようになるのだなと改めて思いました。

言語交流会もスタート。今回は4年生を対象としましたが、一部、3年生や修士課程の学生も混ざって、毎週集まっています。日本語学習者と日本人留学生も、今までで一番集まりがいい印象です。実は、盛り上がりすぎて、注意されることがありましたが、それほど話が尽きることなく、みんなが一生懸命に話している姿に、これこそが言語を勉強する理由の一つだということが手にとるようにわかりました(写真1)。

二月半ばになるとアーモンドの花が開花しました。こんなにいい天気が続いているから当然と思った矢先、開花直後に大寒波に見舞われ、冬に逆戻りの寒い日々が続きました。ある日本人からは、厳しい冬の北海道が思い出されるという話も聞きました。モロッコで雪を降らせたというこの寒波。学部から望むカテドラルもあっという間に雪に覆われ、一面の雪景色を見られたことはかなり貴重だったのではないかと思います(写真2)。

一年留学の人もあと半年、半年留学の人も、いいことも悪いこともあるかもしれませんが、気づきさえあれば、この半年が多様な経験で凝縮されたものになること間違いなしでしょう。

(写真1)後期最初の交流会の様子。
(写真2)2月23日、雪に覆われたサラマンカのカテドラルCathedral。文献学部より撮影。
(写真3)薄暗い朝のマヨール広場(Plaza Mayor)。
(写真 4)朝焼けのカテドラル。黄 金の石と呼ばれる通り、朝日に温か い色が照らし出されている。

1月 活動日誌

2023年1月31日
GJOコーディネーター 久保 賢子

1月、試験期間。

前期授業と試験、試験と後期授業。以前はそれぞれの間に一週間のゆとりがありました。その期間に補講があったり、試験の見直しがあったり、はたまた教員にとっては成績をつける期間となっていて、忙しい中にも区切りがあり、落ち着いていました。ところが今回は、そのゆとり期間がなく、休み明けの試験から全て立て続けで、突然後期授業の開始となり、何ともせわしい月となりました。

スペインの人たちにとっては冬休み中、クリスマス、新年、公現祭(Epiphany)などが続き、行事が盛りだくさんです。イブや大晦日、公現祭前日と、それぞれ前日も祝うとなると、少なくとも6日間は家族で集まる日となり、そんな親族で過ごす日々のあとに来る試験は、さぞ厳しいものだと察します。私も学生にこの期間のことを質問すると、みんな声を揃えて、「試験勉強をしている」と、まるで決まり文句のように返ってきます。そう言われてみれば、前述の祝日以外は、冬休みでもなんと24時間体制で開館している図書館があります。そして大学学内や寮の勉強室は開室時にほぼ席が埋まるほどの勢いです。試験が上手くいった人もそうでない人も、とにかく一番集中して勉強をした充実感120%の期間だったはずです。

さて、先月12月は雨風続きの日々でしたが、1月はぐんと気温が下がり、濃霧に包まれ、または氷点下で霜が降り、雪もちらつき、朝晩の冷え込みに、やっと「サラマンカの冬」を思い出せました。(写真1)

そんなサラマンカで前期に留学した学生が帰国したり、または、後期だけ留学するという人が到着したり…。常時サラマンカに居る者としては、いろんな人の入れ替わりをそばで感じ、その人がどんな経験を積めたかに少しでも触れることができて、学ぶところの多い日々です。

文献学部の後期は1月末から5月中旬まで。4年生にとってはラストスパート区間です。授業が終わる頃にはタイトルにふさわしい日本語能力が備わっているように磨きをかけなければなりません。留学生にとっては、「限られた滞在期間」として、同じように考えられるでしょう。日々の発見、また、いろんな人との交流を大切にぐんと成長できますように!

(写真1)朝8時半。厳かな静けさが印象的なパティオ?メノール(Patio Menor)。

12月 活動日誌

2022年12月31日
GJOコーディネーター 久保 賢子

雨、雨、雨。寝ても覚めても雨の日々。12月にこんなに降り続けるなんて、今までにありませんでした。ほぼ毎日傘を持ち歩きましたが、風がひどいことが多く、なかなか傘もさせません。もともとスペインの人たちは少し濡れるくらいなら全く平気で、傘を持ち歩くより、帽子やフード付きのコートなどでしのぐことが多いです。さすがに今月の雨はかなり大降りになったこともあり、傘の携帯率は上がったものの、朝でさえ濡れて来る人もちらほら。天気予報が当たらない、天気が急に変わる、といった事情も無きにしも非ず、といったところです。

9月から始まった大学の前期の授業は今月で終了し、残すところ試験のみとなります。12月は初旬にある連休、そして23日からのクリスマス休暇と、気分の上ではすでに「授業終了」「休暇開始」と言いたいところですが、1月の試験を前倒しにする科目があったり、いろんな課題の提出期限に追われた