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四色キューブ「タフモニュ」に寄せて

ピエリア?エッセイ

林 佳世子

 本学関係者にとって「本学の色」として頭に浮かぶのは大学の入り口に建つ、あの色とりどりのタフモニュだろうと思い、それについて書いてみたい。
 北区西ヶ原から府中市に移転したのが2000年のこと。春に建物が完成し、夏の間に引越しをし、秋学期は府中キャンパスでの始業となった。まだ本部管理棟や体育館などはなく、研究講義棟、附属図書館、大学会館、保健管理センターだけの出発だった。迂闊なことに、その折に見たであろうタフモニュについては記憶がない。移転を控えカオスと化していた西ヶ原キャンパスから来た目には、すべてがカラフルだったからだろう。
 タフモニュはTUFS Monument の略称のはずである。誰が言い出したのか、恐らくは学生諸君の発想だと思われる。TUFSを「タフス」と読むのは登録商標の関係でNGなので、大学として大見栄きってはタフス?モニュメントとは呼べなかったはずだからである。(アメリカの名門TUFTS University が日本でタフツ?ユニバーシティーの名称を商標登録をしている。)
 いずれにせよ、タフモニュは地味な国立大学の本学にしては、めちゃくちゃ派手である。なので、入学式、卒業式に、その前で列をつくって記念撮影をする学生諸君や保護者の姿をみると、関係者としてちょっと気恥ずかしくなるが、それだけ愛されているのはうれしいことだ。コロナ禍の2020年、気鋭の職員の発案でつくったタフモニュ組み立てモデルは、SNS上で結構な人気だった。コロナ禍?Stay Home?オンライン授業で滅入っているであろう学生諸君が少しの間でも和んでくれたら、との思いだった。
 さて、このタフモニュ、そもそもは新キャンパスの設計を担当した久米設計によって、門や塀のないキャンパスのエントランスにふさわしいモニュメントを、ということで起案された。当時の上田施設課長によると、ヨーロッパで見たキューブ型モニュメントや新宿アイランドタワーのLOVEのモニュメント(アメリカの芸術家ロバート?インディアナの作品で、新宿には1993年に設置)に着想を得てデザインされたそうだ。文字をオブジェ化する発想は似ているが、ポップさ加減はタフモニュのほうが上だろうか。当時の責任者だった