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日中学生の文化交流?国際交流基金ふれあいの場サポーターに参加して?:
国際社会学部2年 越塚峰花さん、長井優美さんインタビュー

外大生インタビュー

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2024年3月から9月にかけて、国際交流基金の「ふれあいの場サポーター」に参加した国際社会学部東アジア地域/中国語2年生の越塚峰花さんと長井優美さん。中国の学生とオンラインでの文化交流イベント、そして、湖南大学での対面イベントの企画?実施を行いました。このプログラムを通じて文化発信の重要性を学んだとのこと。お二人にプログラムに参加した感想を伺いました。 (インタビュアー:留学支援共同利用センター 小松謙一郎 留学支援コーディネーター)

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──── 本日は、越塚さんと長井さんが昨年参加した国際交流基金の中国ふれあいの場事業についてお話をお伺いしたいと思います。本題に入る前に、おふたりが東京外国語大学で中国語を専攻しようと思った理由を教えていただけますか。

越塚   中国の音楽が好きで、文化的に関心を持っていました。また、中国語を身につけることで、世界中の中国語話者と直接コミュニケーションが取れるようになり、交流の機会が広がると考えたからです。

長井   私は、台湾の社会、特に政治に興味があり、理解を深めるために中国語が不可欠だと考え、国際社会学部の中国語専攻を選択しました。また、越塚さんと同じように、中国語を話せることで、より交流の幅が広がるのではないかと思いました。

──── 早速ですが、お二人が昨年参加した国際交流基金の「ふれあいの場」プログラムとはどのようなものですか。

越塚   国際交流基金は、日本の最新情報や日本人と接する機会が少ない中国の地方都市において、青少年層を主な対象に、対日理解と交流を促進する「ふれあいの場」を開設しています。このプログラムは、その「ふれあいの場」を通じて、日中の大学生の交流を目的として行われているものです。

長井   私たちが参加したプログラムは、3月頃から定期的にオンラインでの交流を行い、最終的に9月には4泊5日で現地に訪問して対面でイベントなどを実施しました。

──── プログラムを知ったきっかけは?

越塚    大学で学んだ中国語や中国文化について、より実践的に活用出来る機会を探している中で、このプログラムを知りました。定期的なオンラインイベントだけでなく、実際に渡航して対面で交流できるプログラムがとても理想的なものだったため、参加を決意しました。

長井   越塚さんがこのプログラムを紹介してくれ、渡航時だけでなく、交流を重ねて継続的に対話ができるプログラムの内容が魅力的だと感じました。日々の授業で中国のことを学ぶ私たちにとって、とても貴重な機会だと思い、一緒に挑戦することにしました。

──── オンラインでの交流と現地での活動、それぞれ具体的にどのようなことを行ったのでしょうか。

長井   毎月開催するオンラインイベントは、担当地域ごとに日本の学生2、3人とふれあいの場の代表学生で話し合いながら企画しました。イベント開催時には日本文化に興味を持つ中国側の学生が10?15名参加してくれました。私が担当した長沙のグループでは、日本と中国の祝日を紹介しあったり、お菓子を紹介して実際に作ってみた感想を言い合ったりなどの交流を行いました。

オンラインイベントで紹介し合った画面のサンプル

越塚   私たちも食に関する話題がありました。他には、若者の言葉をクイズ形式で楽しむイベントを行ったりもしました。中国で流行っているスラングなどを学べて、中国語学習のモチベーション向上に繋がりました。ただ、オンライン交流では、日本と異なるネット環境やテスト期間などによるスケジュール調整で苦労することもありました。

オンライン交流の様子

長井   9月には、湖南省長沙へ渡航して日本語授業のアシスタントをしたり、夏祭りイベントを開催したりしました。夏祭りでは、日本のお祭りでよく目にするチョコバナナやお菓子釣りのコーナーを用意しました。

越塚   また、法被(はっぴ)を着てソーラン節やラジオ体操の披露もしました。

夏祭りイベントにてソーラン節を披露

──── プログラムを通じて特に印象に残っていることや気づきなどがあれば教えてください。

越塚   私たちが訪れた地方都市は、上海のような大都市とは異なり、日本との交流があまり多くありません。しかし、中国の学生たちは、日本のアニメやVTuberについて私たち以上に詳しいこともあり、日本文化への関心の高さに驚きました。日本の文化がこれほどまでに中国の人々に受け入れられ、求められていることを実感したのが印象的でした。

長井   中国の学生の中には、日本語に自信がない人もいましたが、それでも積極的に対話しようとする姿勢が印象的でした。また、自分の文化を相手に伝える機会はこれまであまりなかったため、日本文化を紹介するという新しい視点を得ることができました。文化交流では、相手の文化を知るだけでなく、自分から発信することも大切だと学びました。

越塚   事前研修では、文化交流の場で自分の考えを発信できるよう、ファシリテーションスキルや「やさしい日本語」の使い方を学びました。こうした準備があったことで、現地での交流をより円滑に進めることができたと感じています。

長沙市内のフィールドワークにて

──── 今後の目標を教えてください。

越塚   来年度は上海外国語大学に学部留学する予定です。語学留学ではなく、現地の学生と同じ環境で学ぶため、クラスのほとんどが中国人という状況になります。上海外国語大学には日本語学科もあるので、留学中は自分から積極的に行動し、日本語学科の学生や他の学科の中国人学生と交流する機会をつくっていきたいと考えています。

長井   私は来年度、西安外国語大学に留学予定です。西安には「西安ふれあいの場」が設置されているので、今回の縁から積極的に交流できる機会を作れたらなと思っています。

──── 最後に、このプログラムはどんな学生におすすめですか。

長井   東京外国語大学の学生なら誰でも(笑)。

越塚   中国について詳しく知らなくても、中国語が話せなくても、興味があれば気軽に参加してみてほしいです。現地での交流を通じて、新しい視点を得ることができると思います。

長井   日本語科の学生との交流が中心なので、中国語科以外の学生にも興味を持ってもらいたいです。中国の文化をより深く理解できるというだけでなく、外国で育ち外国で暮らす学生と協働して目標に向かうという貴重な経験を得る機会になります。

夏祭りイベントにて中国側の参加学生とともに記念写真

参照

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